UNCITRAL仲裁規則

UNCITRAL仲裁規則

2013年に採択された第1条第4項および2021年に採択された第1条第5項を含む)

第1節 導入規定

適用範囲

第1条

1.契約上のものであるか否かを問わず、定義された法律関係に関する当事者間の紛争が UNCITRAL 仲裁規則に基づく仲裁に付託されることに合意した場合、当該紛争は、当事者が合意し得る修正を条件として、本規則に従って解決されるものとする。
2.2010 年 8 月 15 日以降に締結された仲裁合意の当事者は、当事者が特定のバージョンの規則を適 用することに合意していない限り、仲裁開始日に有効な規則を参照したものと推定される。この推定は、2010年8月15日以前になされた申し出を2010年8月15日以降に受諾することによって仲裁合意が締結された場合には適用されない。
3.本規則は、仲裁を支配するものとする。ただし、本規則のいずれかが、仲裁に適用される法律の規定であって、当事者がこれを除外することができないものと抵触する場合には、当該規定が優先するものとする。
4.投資または投資家の保護を定める条約に従って開始された投資家対国家の仲裁については、本規則は、透明性に関する規則第 1 条に従い、条約に基づく投資家対国家の仲裁の透明性に関する UNCITRAL 規則(「透明性に関する規則」)を含む。
5.付録の簡易仲裁規則は、当事者が同意した場合、仲裁に適用されるものとする。

通知および期間の計算

第 2 条

1.通知,連絡又は提案を含む通知は,その送信の記録を提供し又は可能にするあらゆる通信手段によって送信することができる。
2.当事者がこの目的のために特別に住所を指定し、又は仲裁廷が許可した場合には、通知は、当該住所において当該当事者に到達するものとし、到達した場合には、到達したものとみなされる。ファクシミリまたは電子メールなどの電子的手段による引渡しは、そのように指定または承認された住所に対してのみ行うことができる。
3.そのような指定または承認がない場合、通知は以下のとおりとなる:
- (a) 名宛人に物理的に配達された場合、受領されたものとみなされる。
- (b) 名宛人の事業所、常居所、または郵送先住所に配達された場合、受領されたものとみなされる。
4.合理的な努力の結果、第2項または第3項に従って引渡しを行うことができない場合、書留郵便、または引渡しの記録もしくは引渡しを試みた記録を提供するその他の手段により、名宛人の最後に知られた事業所、常居所、または郵送先住所に送付された場合、通知は受領されたものとみなされる。
5.通知は、第2項、第3項もしくは第4項に従って配達された日、または第4項に従って配達が試みられた日に受領されたものとみなされる。電子的手段により送信された通知は、送信された日に受領されたものとみなされる。ただし、そのように送信された仲裁通知は、それが受取人の電子アドレスに到達した日にのみ受領されたものとみなされる。
6.本規則に基づく期間の計算上、当該期間は、通知を受領した日の翌日から起算する。当該期間の最終日が、名宛人の居住地または事業所における公休日または非営業日である場合、当該期間は、その後の最初の営業日まで延長される。期間中に発生した公休日または非営業日は、期間の計算に含まれる。

仲裁通知

第 3 条 (仲裁通知

1.仲裁に訴える当事者(以下「申立人」という。)は、相手方当事者(以下「被申立人」と いう。)に仲裁通知を伝達しなければならない。
2.仲裁手続は、仲裁通知が被申立人に到達した日に開始されたものとみなす。
3.仲裁通知には、次の事項を含まなければならない:
- (a) 紛争を仲裁に付託することの要求
- (b) 当事者の氏名及び連絡先
- (c) 発動される仲裁合意の特定
- (d) 紛争が生じた契約またはその他の法的文書の特定、またはそのような契約または文書がない場合は、関連する関係の簡単な説明;
- (e) 請求の簡単な説明、および金額がある場合はその金額;
- (f) 求められる救済または救済措置;
- (g) 仲裁人の数、仲裁の言語および仲裁場所に関する提案(当事者が事前に合意していない場合)。
4.仲裁通知には、以下を含めることができる:
- (a) 第 6 条第 1 項にいう任命権者の指定に関する提案
- (b) 第 8 条第 1 項にいう唯一の仲裁人の選任に関する提案
- (c) 第 9 条又は第 10 条にいう仲裁人の選任の通知
5.仲裁廷の構成は、仲裁通知の十分性に関する論争によって妨げられてはならず、仲裁廷によって最終的に解決されるものとする。

仲裁通知に対する回答

第 4 条

1.被申立人は、仲裁通知を受領してから 30 日以内に、申立人に対し、仲裁通知 に対する回答を通知しなければならない:
- (a) 各被申立人の氏名及び連絡先
- (b) 第 3 条第 3 項(c)から(g)に従い、仲裁通知書に記載された情報に対する回答。
2.仲裁通知に対する回答には、以下を含めることができる:
- (a) 本規則に基づき構成される仲裁廷が管轄権を有しないことの主張
- (b) 第 6 条第 1 項にいう任命権者の指定に関する提案
- (c) 第8条第1項にいう唯一の仲裁人の選任に関する提案
- (d) 第9条または第10条にいう仲裁人の選任の通知
- (e) 相反請求又は相殺を目的とする請求がある場合には、その簡潔な説明(関連する場合には、関係する金額の表示、及び求める救済又は救済を含む);
- (f) 被請求人が請求人以外の仲裁合意の当事者に対して請求を行う場合には、第 3 条に従っ た仲裁通知書
3.仲裁廷の構成は、被申立人が仲裁通知に対する回答を伝達しなかったこと、又は仲裁通知に対する回答が不完全若しくは遅滞であったことに関する論争によって妨げられることはなく、仲裁廷によって最終的に解決されるものとする。

代理及び援助

第 5 条 (代理及び補助

各当事者は、その選んだ者により代理又は補助を受けることができる。当該者の氏名及び住所は、全ての当事者及び仲裁廷に通知されなければならない。当該通知は、代理又は補助のために選任されるか否かを明記しなければならない。ある者が当事者の代理人として行動する場合、仲裁廷は、その自発的な意思により、またはいずれかの当事者の要請により、仲裁廷が決定する書式による代理人に付与された権限の証明をいつでも要求することができる。

権限の指定及び任命

第6条

1.締約国が任命権者の選択について既に合意している場合を除き、締約国は、ハーグ常設 仲裁裁判所(以下「PCA」という。)事務局長を含む一又は複数の機関又は人の名称をいつでも提案 することができる。
2.すべての当事者が、第 1 項に従った提案が他のすべての当事者によって受理された後 30 日以内に任命権者の選択について合意しなかった場合には、いずれかの当事 者は、任命権者を指定するよう PCA 事務局長に要請することができる。
3.本規則が、当事者が事案を任命権者に付託しなければならない期間を定めている場 合であって、任命権者が合意又は指定されていないときは、その期間は、当事者が任命 権者の合意又は指定のための手続を開始した日から当該合意又は指定の日までとする。
4.第41条第4項に定める場合を除き、任命機関が行動を拒否した場合、または当事者の要請を受理した後30日以内に仲裁人を任命しなかった場合、本規則に定めるその他の期間内に行動しなかった場合、もしくは当事者の要請を受理した後合理的な期間内に仲裁人に対する異議について決定しなかった場合、いずれの当事者も、PCA事務局長に対し、代理の任命機関を指定するよう要請することができる。
5.任命権者およびPCA事務総長は、本規則に基づく職務を行使するにあたり、当事者および仲裁人に対し、必要と思われる情報を要求することができるものとし、当事者および適切な場合には仲裁人に対し、適切と思われる方法で意見を述べる機会を与えるものとする。任命機関およびPCA事務総長との間のかかる連絡はすべて、差出人から他のすべての当事者にも提供されるものとする。
6.任命機関が第 8 条、第 9 条、第 10 条又は第 14 条に従って仲裁人の任命を要請さ れた場合、要請を行った当事者は、仲裁通知及び仲裁通知が存在する場合にはそれに対する 応答の写しを任命機関に送付しなければならない。
7.任命機関は、独立かつ公平な仲裁人の任命を確保する可能性が高いような考慮を払うものとし、かつ、当事者の国籍以外の国籍の仲裁人を任命することの可否を考慮するものとする。

Section II.仲裁廷の構成

仲裁人の数

第7条

1.当事者が仲裁人の数について事前に合意していない場合、及び被申立人が仲裁通知を受領した後 30 日以内に、当事者が仲裁人を 1 名とすることに合意していない場合には、3 名の仲裁人を選任する。
2.第 1 項にかかわらず、第 1 項に定める期間内に唯一の仲裁人を選任する旨の当事者の提案に 対して他の当事者が応答せず、かつ、関係当事者又は関係当事者が第 9 条又は第 10 条に従って第 2 の仲裁人を選任することができなかった場合において、任命権者が、事案の状況に鑑み、この方が適切であると判断したときは、第 8 条第 2 項に定める手続に従って、当事者の請求により、唯一の仲裁人を選任することができる。

仲裁人の任命

第8条

1.当事者が単独の仲裁人を選任することに合意した場合であって、他のすべての当事者が単独の仲裁人選任の提案を受領してから30日以内に、当事者間で合意が成立しなかったときは、当事者の請求により、任命権者が単独の仲裁人を選任する。
2.任命機関は、可能な限り速やかに単独仲裁人を任命するものとする。任命機関は、選任を行うにあたり、当事者がリスト手続を使用すべきでないと合意した場合、または任命機関がその裁量によりリスト手続の使用が事案に適切でないと判断した場合を除き、以下のリスト手続を使用するものとする:
- (a) 任命権者は、少なくとも3名の氏名を含む同一のリストを各当事者に伝達しなければならな い;
- (b) この名簿の受領後15日以内に,各当事者は,異議がある氏名を削除し,名簿の残りの氏名 に希望する順序で番号を付した後,名簿を任命権者に返送することができる;
- (c) 上記期間の満了後、任命機関は、返送されたリストで承認された氏名の中から、当事者が示した優先順位に従って、唯一の仲裁人を任命する;
- (d) 何らかの理由により、この手続に従って指名を行うことができない場合、任命機関は、唯一の仲裁人の指名において裁量権を行使することができる。

第9条

1.仲裁人が3名選任される場合、各当事者は1名の仲裁人を選任するものとする。こうして選任された2名の仲裁人は、仲裁廷の裁判長を務める第3の仲裁人を選任するものとする。
2.当事者の仲裁人選任通知の受領後30日以内に、他方の当事者が、自らが選任した仲裁人について第1当事者に通知しなかった場合、第1当事者は、任命権者に対し、第2仲裁人を選任するよう要請することができる。
3.第2仲裁人の選任後30日以内に、両仲裁人が仲裁人の選定について合意しなかった場合、第8条に基づき単独の仲裁人が選任されるのと同様の方法により、任命機関が仲裁人を選任するものとする。

第10条

1.第9条第1項において、3名の仲裁人が選任されるべき場合であって、請求人または被請求人として複数の当事者が存在するときは、当事者が仲裁人の他の選任方法について合意していない限り、請求人または被請求人のいずれであるかを問わず、複数の当事者が共同で仲裁人を選任するものとする。
2.当事者が仲裁廷を1名または3名以外の数の仲裁人で構成することに合意した場合、仲裁人は当事者が合意した方法に従って選任されるものとする。
3.本規則に基づき仲裁廷を構成することができない場合、任命機関は、いずれかの当事者の要請により、仲裁廷を構成するものとし、その際、既になされた任命を取り消し、各仲裁人を任命または再任命し、そのうちの1人を主宰仲裁人に指名することができる。

仲裁人による情報開示および仲裁人に対する異議申し立て

第11条

ある者が仲裁人として選任される可能性に関連して打診を受けたときは、その者は、その者の公平性又は独立性について正当な疑いを生じさせる可能性のある一切の事情を開示しなければならない。仲裁人は、その選任の時から仲裁手続全体を通じて、当事者及び他の仲裁人が既に当該事情を知らされている場合を除き、遅滞なく当該事情を開示しなければならない。

第 12 条

1.仲裁人の公平性又は独立性について正当な疑念を生じさせる事情が存在する場合、いずれの仲裁人も異議を申し立てることができる。
2.当事者は、選任された仲裁人に対し、選任後に知り得た理由に限り、異議を申し立てることができる。
3.仲裁人がその職務を遂行しない場合、または仲裁人がその職務を遂行することが事実上不可能な場合、第13条に定める仲裁人に対する異議申立に関する手続が適用される。

第13条

1.仲裁人に対する異議を申し立てようとする当事者は、異議を申し立てられた仲裁人の選任が通知されてから15日以内、または第11条および第12条に定める事情が当該当事者に知られてから15日以内に、異議を申し立てる旨の通知を送付しなければならない。
2.異議の通知は、他のすべての当事者、異議を申し立てられた仲裁人および他の仲裁人に通知されるものとする。異議申立通知には、異議申立の理由を記載するものとする。
3.仲裁人が当事者から異議申し立てを受けた場合、すべての当事者は異議申し立てに同意することができる。仲裁人は、異議申立後、その職を辞することもできる。いずれの場合も、異議申立の理由の正当性を受諾することを意味するものではない。
4.異議申立通知の日から15日以内に、全当事者が異議申立に同意しない場合、または異議申立を行った仲裁人が辞退しない場合、異議申立を行った当事者は、異議申立を行うことを選択することができる。この場合、異議告知日から30日以内に、任命権者による異議決定を求めるものとする。

仲裁人の交代

第14条

1.第 2 項に従い、仲裁手続中に仲裁人を交代させなければならない場合には、第 8 条から第 11 条に定める手続に従い、交代する仲裁人の選任または選定に適用された代わりの仲裁人を選任または選定するものとする。この手続は、交代すべき仲裁人の選任手続中に、当事者がその選任権または選任に参加する権利を行使しなかった場合にも適用されるものとする。
2.2. 当事者の要請により、任命機関が、事案の例外的な状況を考慮して、当事者が代理の仲裁人を 任命する権利を奪われることが正当であると判断する場合、任命機関は、当事者及び残りの仲裁人に意見を表 明する機会を与えた後、(a) 代理仲裁人を任命し、又は(b) 審問の終了後、他の仲裁人に仲裁を続行し、決定若しくは裁定 を行う権限を付与することができる。

仲裁人が交代した場合の審問の繰り返し

第 15 条

仲裁人が交代した場合、仲裁廷が別段の決定をしない限り、審理は交代した仲裁人がその職務を行わなくなった段階から再開されるものとする。

責任の排除

第16条

故意の不法行為を除き、当事者は、仲裁人、任命権者及び仲裁廷により任命された者に対し、仲裁に関連する作為又は不作為に基づくいかなる請求も、適用される法律により認められる最大限の範囲において放棄する。

Section III.仲裁手続

一般規定

第17条

1.本規則に従い、仲裁廷は、当事者が平等に扱われ、手続の適切な段階において各当事者に弁明の合理的な機会が与えられることを条件として、仲裁廷が適切と考える方法で仲裁を実施することができる。仲裁廷は、その裁量権を行使するにあたり、不必要な遅延及び費用を回避し、かつ、当事者の紛争を解決するための公正かつ効率的な手続を提供するように手続を行うものとする。
2.仲裁廷は、その成立後、可能な限り速やかに、かつ、当事者に意見を述べるよう求めた後、仲裁の暫定的なタイムテーブルを定めるものとする。仲裁廷は、当事者の意見表明を求めた後、いつでも、本規則に基づき定められた期間又は当事者が合意した期間を延長又は短縮することができる。
3.手続の適切な段階において、当事者がそのように要求した場合、仲裁廷は、専門家証人を含む証人による証拠の提示又は口頭弁論のためのヒアリングを開催するものとする。そのような要請がない場合、仲裁廷は、そのような審理を行うか、又は文書及びその他の資料に基づいて手続を行うかどうかを決定するものとする。
4.一方の当事者による仲裁廷へのすべての連絡は、当該当事者から他のすべての当事者に伝達されるものとする。かかる連絡は、仲裁廷が適用法令に基づき別途許可する場合を除き、同時に行われるものとする。
5.仲裁廷は、当事者の請求により、仲裁合意の当事者であることを条件として、1人または複数の第三者を仲裁に参加させることができる。ただし、仲裁廷が、参加させる者を含むすべての当事者に聴聞の機会を与えた後、これらの当事者のいずれかを害するため参加を認めるべきではないと判断した場合を除く。仲裁廷は、仲裁に関与するすべての当事者に関して、単一の裁定または複数の裁定を行うことができる。

仲裁地

第 18 条 (仲裁の場所

1.当事者が仲裁地について事前に合意していない場合には、仲裁地は、仲裁廷が事案の状況を考慮して決定する。仲裁判断は、仲裁地においてなされたものとみなす。
2.仲裁廷は、仲裁廷が審議に適切と考える場所において会合することができる。当事者が別途合意しない限り、仲裁廷は、ヒアリングを含むその他の目的のために適切と考える場所でも会合することができる。

言語

第19条

1.当事者の合意に従い,仲裁廷は,その選任後速やかに,手続において使用される言語を決定するものとする。この決定は、申立書、答弁書及びその他の書面陳述に適用されるものとし、口頭審理が行われる場合には、当該審理において使用される言語にも適用されるものとする。
2.仲裁廷は、請求の陳述書又は防御の陳述書に添付された文書及び手続の過程で提出された補足的な文書又は証拠書類であって、原語で提出されたものには、当事者が合意した言語又は仲裁廷が決定した言語への翻訳文を添付することを命ずることができる。

申立書

第20条

1.申立人は、仲裁廷が定める期間内に、被申立人及び各仲裁人に書面でその申立書を伝達するものとする。申立人は、第 3 条にいう仲裁通知を請求の告知として取り扱うことを選択することができ るが、その仲裁通知も本条第 2 項から第 4 項の要件に従うことを条件とする。
2.申立書には、次の事項を記載しなければならない:
- (a) 当事者の氏名及び連絡先
- (b) 請求を裏付ける事実の陳述
- (c) 争点
- (d) 求められる救済または救済措置
- (e) 請求を裏付ける法的根拠または主張。
3.紛争が生じた契約書その他の法的文書及び仲裁合意の写しを請求書に添付するものとする。
4.請求の陳述書には、できる限り、請求人が依拠したすべての文書その他の証拠を添付し、又はそれらへの言及を含めるものとする。

答弁書

第21条

1.被申立人は、仲裁廷が定める期間内に、申立人及び各仲裁人に対して、書面による答弁書を伝達するものとする。被申立人は、第 4 条にいう仲裁通知に対する応答が本条第 2 項の要件にも適合することを条件 として、その応答を答弁書として取り扱うことを選択することができる。
2.答弁書は、申立書の特定事項(b)から(e)に回答しなければならない(第 20 条第 2 項)。答弁書は、できる限り、被申立人が依拠したすべての文書その他の証拠を添付するか、又はそれらへの言及を含むべきである。
3.被申立人は、答弁書において、または仲裁廷が遅延が状況において正当であると判断した場合には仲裁手続の後の段階において、仲裁廷が管轄権を有することを条件として、反訴を提起し、または相殺を目的とする請求に依拠することができる。
4.第20条第2項から第4項までの規定は、反訴、第4条第2項(f)に基づく請求及び相殺のために依拠した請求に適用する。

請求又は抗弁の補正

第22条

仲裁手続の進行中、当事者は、反訴又は相殺を目的とする請求を含め、その請求又は抗弁を修正又は補充することができる。ただし、仲裁廷が、当該修正又は補充を行うことの遅延又は他の当事者に対する不利益その他の事情を考慮して、当該修正又は補充を認めることが不適当であると判断した場合を除く。ただし、反訴又は相殺を目的とする請求を含む請求又は抗弁は、補正又は補充された請求又は抗弁が仲裁廷の管轄外となるような方法で補正又は補充することはできない。

仲裁廷の管轄権に関する主張

第 23 条

1.仲裁廷は、仲裁合意の存在又は有効性に関する異議も含め、その管轄権について裁定する権限を有する。この目的のため、契約の一部を構成する仲裁条項は、契約の他の条項から独立した合意として取り扱われるものとする。契約が無効であるという仲裁裁判所の決定は、自動的に仲裁条項の無効を伴うものではない。
2.仲裁廷が管轄権を有しない旨の主張は、遅くとも答弁書において、または反訴もしくは相殺を目的とする請求については、反訴もしくは相殺を目的とする請求に対する答弁書において、提起されなければならない。当事者は、仲裁人を選任したこと、または仲裁人の選任に参加したことによって、このような申し立てを行うことを妨げられない。仲裁廷がその権限の範囲を逸脱しているとの訴えは、その権限の範囲を逸脱していると主張される事項が仲裁手続中に提起された時点で提起されるものとする。仲裁廷は、遅滞が正当化されると判断した場合、いずれの場合においても、後の申し立てを認めることができる。
3.仲裁廷は、予備的質問として、又は本案に関する裁定において、第2項にいう嘆願について裁定することができる。仲裁廷は、裁判所に対する管轄権に対する係属中の異議にかかわらず、仲裁手続を継続し、かつ、裁定を行うことができる。

その他の書面による陳述

第24条

仲裁廷は、請求の陳述及び防御の陳述に加え、当事者から提出を求められ、又は当事者から提出を受けることができる追加書面を決定し、当該書面の伝達期間を定めるものとする。

期間

第25条

書面による陳述(請求の陳述及び答弁の陳述を含む)のために仲裁廷が定める期間は、45日を超えてはならない。ただし、仲裁廷は、延長が正当であると判断した場合には、期間を延長することができる。

暫定措置

第26条

1.仲裁廷は、当事者の請求により、暫定措置を認めることができる。
2.中間的措置とは、紛争が最終的に決定される裁定が出される前の任意の時点において、仲裁廷が、例えば、制限なく、当事者に対し、次の事項を命じる一時的な措置をいう:
- (a) 紛争が解決するまでの間、現状を維持または回復すること;
- (b) 以下の行為を防止する、または引き起こす可能性のある行為を控える、
- (i) 現在または差し迫った損害、または
- (ii)仲裁手続そのものに対する不利益;
- (c) その後の裁定を満足させることができる資産を保全する手段を提供すること。
- (d) 紛争の解決に関連し、重要な証拠を保全する。
3.第 2 項(a)から(c)に基づき暫定措置を要求する当事者は、仲裁廷に対し、以下の事項を納得させなければならない:
- (a) 当該措置が命じられない場合、損害賠償によって十分に賠償できない損害が生じる可能性があり、かつ、当該損害が、当該措置が認められた場合に当該措置の対象となる当事者に生じる可能性のある損害を実質的に上回ること。
- (b) 請求当事者が請求の本案について成功する合理的な可能性があること。この可能性に関する判断は、その後の判断における仲裁廷の裁量に影響を与えないものとする。
4.第2項(d)に基づく暫定措置の請求については、第3項(a)及び(b)の要件は、仲裁廷が適切と考える範囲においてのみ適用されるものとする。
5.仲裁廷は、当事者の申立てにより、又は例外的な状況において当事者に事前に通知した上で、仲裁廷の発意により、付与した暫定措置を変更、一時停止又は終了することができる。
6.仲裁廷は、暫定措置を請求する当事者に対し、当該暫定措置に関連して適切な担保を提供するよう要求することができる。
7.仲裁廷は、いずれの当事者に対しても、暫定措置が要求され又は付与された根拠となる事情に重大な変更があった場合には、速やかにこれを開示するよう求めることができる。
8.8.仲裁廷が、その時点の状況において、暫定措置が付与されるべきではなかったと後に判断した場合、暫定措置を要求した当事者は、当該措置によって生じた費用および損害について、いずれかの当事者に責任を負うことができる。仲裁廷は、手続中のいかなる時点においても、当該費用及び損害を裁定することができる。
9.いずれかの当事者が司法当局に宛てた暫定措置の請求は、仲裁合意と両立しないものとみなされず、又は当該合意の放棄とみなされないものとする。

証拠

第27条

1.各当事者は、その主張又は抗弁を裏付けるために依拠した事実を証明する責任を負う。
2.事実又は専門知識の問題について仲裁廷に対して証言するために当事者から提示される鑑定人を含む証人は、個人が仲裁の当事者であるか又は何らかの形で当事者と関係があるかにかかわらず、いかなる個人であってもよい。仲裁廷による別段の指示がない限り、専門家証人を含む証人の陳述は、書面で提出し、署名することができる。
3.仲裁手続中いつでも、仲裁廷は、仲裁廷が定める期間内に文書、証拠物またはその他の証拠を提出するよう当事者に要求することができる。
4.仲裁廷は、提出された証拠の許容性、関連性、重要性および重みを決定するものとする。

ヒアリング

第28条

1.口頭審理が行われる場合、仲裁廷は、その日時及び場所を当事者に事前に十分に通知するものとする。
2.専門家証人を含む証人は、仲裁廷が定める条件及び方法で審理を受けることができる。
3.審理は、当事者が別段の合意をしない限り、非公開で行われるものとする。仲裁廷は、専門家証人を含む証人が他の証人の証言を行っている間、当該証人の退廷を求めることができる。ただし、専門家証人を含む証人であって仲裁の当事者であるものは、原則として退廷を求められない。
4.仲裁廷は、専門家証人を含む証人に対し、審問への物理的な出席を必要としない電気通信手段(テレビ会議など)を通じた尋問を指示することができる。

仲裁廷が指名する専門家

第 29 条

1.仲裁廷は、当事者との協議の後、仲裁廷が決定する特定の問題について仲裁廷に書面で報告する1人以上の独立専門家を任命することができる。仲裁廷が定める専門家の職務権限のコピーは、当事者に通知されるものとする。
2.専門家は、原則として、選任を受諾する前に、仲裁廷及び当事者に、その資格の説明及び公平性及び独立性の陳述書を提出しなければならない。仲裁廷が命じる期間内に、当事者は、専門家の資格、公平性又は独立性について異議があるか否かを仲裁廷に通知しなければならない。仲裁廷は、当該異議を受け入れるか否かを速やかに決定するものとする。専門家の選任後、当事者は、専門家の資格、公平性又は独立性について、選任後に当事者が知った理由による異議に限り、異議を申し立てることができる。仲裁廷は、取るべき措置がある場合、速やかに決定するものとする。
3.当事者は、専門家に対し、関連情報を提供し、又は専門家が要求する関連文書若しくは物品を専門家の閲覧のために提出しなければならない。要求された情報又は提出物の妥当性に関する当事者と当該専門家との間の紛争は、仲裁廷に判断を委ねるものとする。
4.専門家の報告書を受領した場合、仲裁廷は、報告書の写しを当事者に伝達するものとし、当事者は、報告書について書面で意見を述べる機会を与えられるものとする。当事者は、専門家が報告書において依拠した文書を閲覧する権利を有する。
5.当事者の請求により、専門家は、報告書の提出後、当事者が出席し専門家を尋問する機会を有する聴聞を受けることができる。この審問において、いずれの当事者も、争点について証言するために専門家の証人を提出することができる。第28条の規定は、当該手続に適用される。

不履行

第30条

1.本規則又は仲裁廷が定めた期間内に、十分な理由を示さずに
- (a) 申立人が申立書を伝達しなかった場合、仲裁廷は、仲裁手続を終了させる命令を発するものとする。ただし、仲裁廷が仲裁手続を終了させることが適切であると判断する決定事項が残っている場合を除く;
- (b) 被申立人が仲裁通知に対する回答又は答弁書を伝達しなかった場合、仲裁廷は、当該不提出自体を請求人の主張を認めたものとみなすことなく、手続の継続を命ずるものとする。本号の規定は、請求人が反訴に対する答弁書又は相殺を目的とする請求に対する答弁書を提出しなかった場合にも適用される。
2.本規則に基づき正式に通知された当事者が、十分な理由を示すことなく審理に出頭しない場合、仲裁廷は仲裁を続行することができる。
3.仲裁廷により正式に文書、証拠物又はその他の証拠を提出するよう求められた当事者が、当該不提出について十分な理由を示すことなく、定められた期間内にこれを提出しない場合、仲裁廷は、仲裁廷の前にある証拠に基づいて裁定を行うことができる。

審理の終了

第31条

1.仲裁廷は、当事者に対し、更に提出すべき証拠若しくは聴取すべき証人又は提出すべき提出物があるかどうかを照会することができ、ない場合には、審理の終結を宣言することができる。
2.2.仲裁廷は、例外的な事情により必要があると認めるときは、自らの意思により又は当事者の申請により、仲裁判断が下される前であればいつでも審理を再開することを決定することができる。

異議申立権の放棄

第32条

本規則又は仲裁合意の要件の不履行に対して当事者が速やかに異議を述べなかった場 合、当該当事者がその状況下で異議を述べなかったことが正当であったことを証明できな い限り、当該当事者がそのような異議を述べる権利を放棄したものとみなされる。

第 IV 節

裁定 決定

第33条

1.仲裁人が複数いる場合、仲裁廷の裁定又はその他の決定は、仲裁人の過半数によって行われるものとする。
2.手続に関する問題の場合、過半数に達しないとき、又は仲裁廷がこれを認めたときは、仲裁廷による修正があるときは、これを条件として、仲裁人長が単独で決定することができる。

仲裁判断の形式と効果

第34条

1.仲裁廷は、異なる争点について異なる時期に別個の判断をすることができる。
2.すべての裁定は、書面で行われるものとし、最終的かつ当事者を拘束するものとする。当事者は、すべての裁定を遅滞なく履行しなければならない。
3.仲裁廷は、当事者が理由を述べないことに合意した場合を除き、仲裁判断の根拠となる理由を述べなければならない。
4.仲裁判断は、仲裁人によって署名されるものとし、仲裁判断がなされた日付を記載し、仲裁地を表示するものとする。複数の仲裁人がいて、そのうちの一人が署名しない場合、裁定には署名がない理由を記載しなければならない。
5.仲裁判断は、全当事者の同意がある場合、または法的権利の保護もしくは追及のため、または裁判所もしくはその他の権限ある当局に対する法的手続きに関連して、法的義務によって当事者に開示が要求される場合およびその範囲内において、公表することができる。
6.仲裁人が署名した仲裁判断の写しは、仲裁廷によって当事者に通知されるものとする。

適用法、amiable compositeur

第35条

1.仲裁廷は、紛争の本質に適用されるものとして当事者が指定した法規則を適用するものとする。当事者による当該指定がない場合、仲裁廷は、仲裁廷が適切であると判断する法律を適用するものとする。
2.仲裁廷は、当事者が仲裁廷にそのようにすることを明示的に許可した場合に限り、amiable compositeurまたはex aequo et bonoとして決定するものとする。
3.すべての場合において、仲裁廷は、契約条項がある場合にはそれに従って決定し、取引に適用される取引慣行を考慮するものとする。

和解またはその他の解除事由

第36条

1.仲裁判断がなされる前に、当事者が紛争の解決について合意した場合、仲裁廷は、仲裁手続の終了命令を発するか、又は当事者が請求し、仲裁廷が受理した場合には、合意された条件による仲裁判断の形式で和解を記録するものとする。仲裁廷は、当該仲裁判断について理由を述べる義務を負わない。
2.仲裁廷は、仲裁判断がなされる前に、仲裁手続の継続が第1項に記載されていない何らかの理由により不必要又は不可能となった場合、仲裁手続の終了のための命令を発する意思を当事者に通知するものとする。仲裁廷は、決定が必要となり得る事項が残存し、仲裁廷がこれを行うことが適切であると考える場合を除き、当該命令を発する権限を有するものとする。
3.仲裁人が署名した仲裁手続終結命令又は合意条件による仲裁判断の写しは、仲裁廷から当事者に通知されるものとする。合意された条件による仲裁判断がなされた場合には、第34条第2項、第4項及び第5項の規定が適用される。

仲裁判断の解釈

第37条

1.第 37 条 (仲裁判断の解釈) 1. 当事者は、仲裁判断を受領した後 30 日以内に、他の当事者に通知して、 仲裁廷に対し、仲裁判断の解釈を求めることができる。
2.解釈は、申立ての受領後 45 日以内に書面で行わなければならない。解釈は、裁定の一部を構成するものとし、第34条第2項から第6項までの規定が適用される。裁定の訂正 第38条
1.当事者は、仲裁判断の受領後30日以内に、他の当事者に通知して、仲裁廷に対し、計算上の誤り、事務的若しくは誤植的な誤り又はこれらに類似する性質の誤り若しくは遺漏を仲裁判断において訂正するよう求めることができる。仲裁廷は、当該請求が正当であると判断した場合には、当該請求の受領後45日以内に訂正を行うものとする。
2.仲裁廷は、仲裁判断の伝達後30日以内に、自らの判断で当該訂正を行うことができる。
3.当該訂正は、書面によるものとし、かつ、裁定の一部を構成するものとする。第34条第2項から第6項までの規定を適用する。

追加裁定

第39条

1.終了命令又は仲裁判断を受領した後30日以内に、当事者は、他の当事者に通知して、仲裁手続において提示されたが仲裁廷により決定されなかった請求について仲裁廷に仲裁判断又は追加判断を求めることができる。
2.仲裁廷は、裁定又は追加裁定の請求が正当であるとみなす場合、その請求の受領後60日以内に裁定を行うか、又は裁定を完了しなければならない。仲裁廷は、必要に応じて、裁定を行うべき期間を延長することができる。
3.当該仲裁判断又は追加仲裁判断が行われる場合には、第34条第2項から第6項までの規定が適用される。

費用の定義

第40条

1.仲裁廷は、仲裁費用を最終裁定において、及び仲裁廷が適切と判断する場合には別の決定において定めるものとする。
2.費用」という用語には、次のもののみを含む:
- (a) 各仲裁人について別個に記載され、かつ第41条に従って仲裁廷自身が定める仲裁廷の費用
- (b) 仲裁人が負担する合理的な旅費及びその他の費用;
- (c) 仲裁廷が必要とする専門家の助言及びその他の援助の合理的な費用
- (d) 仲裁廷により承認された範囲における証人の合理的な旅費及びその他の費用
- (e) 仲裁廷が当該費用の額が合理的であると決定する限りにおいて、仲裁に関して当事者が負担した弁護士費用及びその他の費用;
- (f) 任命機関の手数料および費用ならびにPCA事務局長の手数料および費用。
3.第 37 条から第 39 条に基づく仲裁判断の解釈、訂正又は完了に関して、仲裁廷は、第 2 項(b)から(f)に掲げる費用を請求することができるが、追加費用を請求することはできない。

仲裁人の費用

第 41 条

1.仲裁人の報酬及び費用は、紛争金額、事案の複雑さ、仲裁人が費やした時間及び事案のその他の関連する事情を考慮して、合理的な金額とする。
2.任命機関が存在し、その任命機関が国際事件における仲裁人の報酬を決定するためのスケジュール又は特定の方法を適用し、又は適用することを表明している場合、仲裁廷は、その報酬を決定する際に、事件の状況において適切であると考える範囲において、当該スケジュール又は方法を考慮するものとする。
3.仲裁廷は、その構成後速やかに、適用しようとする料率を含め、その手数料及び費用を決定する方法について当事者に通知しなければならない。当該提案を受領してから15日以内に、いずれの当事者も、当該提案を任命機関に照会し、再検討を求めることができる。当該付託を受領してから45日以内に、任命機関が仲裁廷の提案が第1項と矛盾していると認める場合、任命機関は必要な調整を行うものとし、当該調整は仲裁廷を拘束するものとする。
4.
- (a) 仲裁廷は、第40条第2項(a)及び(b)に基づき決定された仲裁人の報酬及び費用を当事者に通知する際、当該金額の算出方法についても説明するものとする;
- (b) 当事者は、仲裁廷による手数料及び費用の決定を受領してから15日以内に、当該決定を任命機関に付託することができる。任命権者が合意若しくは指定されていない場合、又は任命権者が本規則に定める期間内に行動しない場合には、PCA事務局長が見直しを行うものとする;
- (c) 任命権者又はPCA事務局長が、仲裁廷の決定が第3項に基づく仲裁廷の提案(及びその調整)と矛盾している、又はその他明らかに過大であると認める場合には、当該付託を受けてから45日以内に、第1項の基準を満たすために必要な仲裁廷の決定の調整を行わなければならない。当該調整は、仲裁廷を拘束するものとする;
- (d) 当該調整は、仲裁廷が仲裁判断に含めるか、又は既に仲裁判断が出されている場合には、第38条第3項の手続が適用される仲裁判断の訂正として実施されるものとする。
5.第3項及び第4項の手続を通じて、仲裁廷は、第17条第1項に従って仲裁を進めるものとする。
6.第4項に基づく付託は、仲裁廷の手数料及び費用以外の裁定のいかなる決定にも影響を及ぼさず、また、仲裁廷の手数料及び費用の決定に関するもの以外の裁定のすべての部分の承認及び執行を遅延させないものとする。

費用の配分

第 42 条

1.仲裁費用は、原則として、不成立となった当事者が負担する。ただし、仲裁廷は、事案の状況を考慮してその配分が合理的であると判断した場合には、当事者間で当該費用をそれぞれ配分することができる。
2.仲裁廷は、最終裁定において、又は適切と判断する場合にはその他の裁定において、費用の配分に関する決定の結果、当事者が他の当事者に支払わなければならない金額を決定するものとする。

費用の供託

第43条

1.仲裁廷は、その設置に際し、当事者に対し、第40条第2項(a)から(c)に定める費用の前払金として同額の供託を求めることができる。
2.仲裁手続の期間中、仲裁廷は、当事者に対し、追加の供託を求めることができる。
3.任命機関が合意又は指定されている場合において、当事者がそのように要求し、かつ、任命機関がその機能を果たすことに同意したときは、仲裁廷は、任命機関と協議した後に限り、供託金又は補充供託金の額を定めるものとし、任命機関は、仲裁廷に対し、当該供託金及び補充供託金の額について適切と思われる意見を述べることができる。
4.要求された供託金が要求の受領後30日以内に全額支払われない場合、仲裁廷は、当事者の1人又は数人が要求された供託金を支払うことができるよう、その旨を当事者に通知するものとする。当該支払がなされない場合、仲裁廷は仲裁手続の中断又は終了を命ずることができる。
5.仲裁廷は、終了命令又は最終判断がなされた後、受領した供託金の会計を当事者に行い、未納残高を当事者に返還するものとする。